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完成したバウンティ
完成したバウンティ

 自慢できるほどの経験があるわけではないですが、模型製作の船の4隻目が完成したのを機会に、皆さんにお見せしたくホームページを作成しました。

 3隻目を製作中に出入りしたアサヒ堂模型店に置いてあった、HMSバウンティを購入し製作する事にした。これはその記録です。スペインのアルテサニア社の輸入品だと言われてはいましたが、日本語解説書付きのシールがあったのに箱に入っていたのはA4の用紙1枚だけ。製作状況の写真集(112枚)とパーツリスト(スペイン語・英語・フランス語・ドイツ語)付きの写真の説明文が入っていたので何とかなるとの思いで取り掛かることにした。最初に解説書の翻訳に1か月かかった。専門の用語が多く難解だったが、やっと訳してみると部品を取り付けた後の塗装は困難になるとか、非常に細密な作業なので慎重にだとか、写真を見るようにとかあまり役に立たない記述が多くガッカリだった。とにかく写真を見ながら製作を始めることにした。

 作り始めてからしばらくして、携帯電話で写真を撮れば記録が残せると妻から言われ、製作途中の記録を残すことにしました。最初の写真は、キール(船の底に前後に渡っている一番の基本の部材)にフレーム(肋骨のようにキールに組み込む)を取り付けた後、一番下の床を張り倉庫部屋を作りました。続いて中間の床を張りあげたところです。ここにきて床の一部がえぐれている意味がやっと分かりました。この船は片側が内部を見せるようになっていて、外板も全部は張らないのだと。   2008/4/16

 二段目の床にもはめ込みする部品があり、最初の難関だった。ギザギザの部材を組合わせてから大きさに合わせて削り枠を組合わせていきます。   2008/4/19

拡大できます。
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 二段目には、部屋を作るようになっていた。この部屋がまた難解だった。三方の壁を作り組合わせるのだが、元になる3ミリの合板の両側に細い角材を寸法に切って組合わせていく。図解写真に振ってある番号をパーツリストで確認しながら切って繋げる作業の連続だった。更に、柱の間に薄いラミン材を隙間を空けながら貼っていく、本当に手間のかかる作業だった。それなのに完成したら良く見えないではないか!! 2008/4/26

 部屋の完成後、最後尾にポットを取り付け、甲板を支える梁になるアッパービームを取り付ける。部屋の上部を帳尻が合うように加工する必要があった。 2008/4/29

 甲板の合板を取り付ける。

 左下にあるのは最初に使っていたヘッドルーペです。細かい作業には欠かせない代物ですが、その後にレンズが差し込み式で交換できるものをインターネットで購入しました。 2008/5/7

 甲板に1×5ミリの薄いバエスウッドを真鍮釘で打ち付けた後、上部から外板張りに入る。上側はバエスウッド、下側はアフリカンウォールナット(クルミの木) 2008/6/12


 外板は幅が5ミリ厚さ2ミリの角材なのですが、フレームのカーブに合わせて曲げなければなりません。オーブンに使うグリルパンをコンロにかけて作った熱湯に10秒ほど浸してから熱いうちに少しずつ曲げていきます。立体的にカーブさせるので、ひねりながら曲げることになります。一度に曲げると折れてしまうので丁寧に作業していきます。図解写真では平行に近い曲げ方だったので合わせるのに苦労しました。左側の船首部分が終わると右側の船尾部分を加工します。少し長めにカットし、貼り付ける上側を上の部材にピッタリ合うように内側を斜めにヤスリで削り、木工ボンドを上の部材とフレームに塗り、真鍮釘をラジオペンチで挟んで上に押し付けながら打ち込みます。この木工ボンドには、アメリカ製のタイトボンド(TITEBONDⅡ)が最適です。乾いた後に削ることも色を塗ることも出来るスグレモノです。また、接着する時にピンポイントで瞬間接着剤を付けると次の作業が早くできるようになります。  2008/6/23

 船尾側です。船体途中のフレームの数箇所に印を付けて位置を決めながら、右の位置を決めていきます。印を合わせながら船尾の形に合わせて熱湯で曲げ、形を整えます。船尾位置にあわせてカットし、ボンドをつけた後に真鍮釘を打ち込みます。   2008/6/23

 キットに付属の図解写真集では、船首部分は平行に近い曲げ方であったため、苦労しながらひねって製作していたのですが、ここまで来てよくよく見てみると重なり部の被り分が少なく、このままでは表面を削ると穴が開く可能性があることが分かり、重なり部にスペーサーで補強することにしました。釘打ちした上に更に釘打ちするのでぶつからないよう慎重に作業しました。   2008/6/30

 左舷の船首側が完成しました。  2008/7/18

 左舷の船尾部分です。  2008/7/18

 左舷側にオービタルサンダー(画面右側に傾けて置いてある)をかけて磨きました。集塵袋つきのものを購入し、専用の紙やすりも色々揃えました。   2008/7/24

 左舷側が終了したので、右舷(中を見せるためにシースルー)の外板張りをする。  2008/8/1

 磨いた後の船底部分

 舳先の左舷側はスペーサーを取り付けたが、右舷側は角材を少しカーブさせることで重なり部分を増やした。従って正面から見ると左右の違いが分かってしまうと思うが、よほど注意してみなければ気が付かないことに期待している。 2008/8/21

 甲板もオービタルサンダーで磨いた後、甲板に取り付ける部品が出来上がったので置いてみた。       2008/8/21

 拡大図。階段部が2つあり、戸がスライドするように溝を切った角材が1本入っていた。甲板の穴がふさがり突合せが斜めになるように長さを決め、8本カットする。45°になるように切るのはなかなか難しい。

 

真ん中の荷物出入口のふたには参った。5ミリ幅で1.5ミリの厚さのアフリカンウォールナットを加工していくのだが、最後の1本をピッタリ合わせるようにして完成。   2008/8/21

 半月かかって巻上げ機と格子部分を作成、完成したのでとりあえず置いてみる。 この後着色して取り付ける。

2008/9/12

 3か月の間に、船体の胴部分にマホガニー材を上に貼り、続いて船首部分を制作する。この3ミリ角材の組み合わせにはかなり手間がかかった。接触する部分に合わせて角度を調整した角材を水平に取り付け、その間を繋ぐ部品を角度を合わせながら作っていくのだが、なかなか丁度いい長さにならずに何回も挑戦した。(そんなに手間がかかるように見えないのが悔しい!!)手すりの部分もロープを結ぶビレイピンを取り付けるためにしっかりと作る必要があります。     2008/12/24

 船首側の甲板に部品を取り付けた状態です。

 

 

船尾側です。操舵部品を取り付けたのですが、舵(ラダー)は打ち抜き部品を加工し接続する蝶番を出来るだけ近づけるようにして取り付けました。舵の上部は甲板に突き抜けています。

 

画像の質が変わっていますが、携帯を買い替えたのが分かりますか?     2008/12/24

船尾側の取り付けた状態です。

船尾の飾りを取り付けました。合板の打ち抜き部品に窓枠を取り付け、真鍮の打ち抜き窓を貼ります。周りには1ミリ厚のバエスウッドを緩やかに曲げ加工しながら突合せます。

この頃になって作業するのに架台が必要になり、塩尻市の加賀島さんから奥尻ヒバの銘木を分けてもらった。ジグソーでくり抜いて作成したが、座りを安定させるのにやすりで削って調整に苦労した。

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 右舷の船尾側の内部の様子です。

 

 

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 右舷の船首側の内部の様子です。

 操舵部分を糸で結びました。この時点では操舵部の舵輪を回すと舵が切れたのですが、ブロックを通る糸が切れそうなのでその後は動かせなくなりました。(残念!!)

 

2008/12/28

 甲板に搭載する下側のランチを作成しました。この船は本船と同じくキールがあり、フレームを取り付けて外板を釘で打ち付けるなど、サイズが小さい分、帳尻が合わず苦労しました。

 

上に見えているのは、ランチの上に乗せるジョリーボートの部品です。こちらは重ねて作るようになっていました。

 

2009/1/8

 ランチは、オービタルサンダーで磨き塗装(オイルステイン:木に染み込む塗料)をしたところです。ジョリーボートは、重ねて接着したものを削っています。外側はカッターで大まかに削り、やすりで磨くのですが、内側には参りました。くり抜くのに必要な彫刻刀もないので、ホームセンターに行って探したところ、電動ドリルに接続して使うドリルチャックがあったので購入しました。(歯科医が使うドリルの大型のようなものです。)それを使い1ミリまで削った後の写真です。   2009/2/17

 完成したランチです。下にあるのは英文のパーツリスト。

  2009/3/11

 船の外側に取り付けるチャンネルとシュラウドを引っ張るためのデッドアイを制作する。後ろに見える1ミリの真鍮の針金で輪を作り銀ロー付けする。デッドアイを挟んで絞るようにして曲げチャンネルの穴に通す。図解写真では1.5ミリの穴となっていたが、この先に針金で下のチェーンを作るためには3ミリの穴が必要になる。仕方がないので2ミリの穴をあけ横に広げることにした。チェーンの先は釘で止めるので良いが、シースルーの側はこのままでは抜けてしまう。悩んだ末にチャンネルを通した後に0.3ミリの細い針金でワッシャーの代わりになるように縛ることにした。   2009/3/25

 左舷側は、チャンネンルに差し込んだデッドアイの下に二つのチェーンを銀ロー付けで繋いだものを作成してから船体に取り付けました。この後で一番下に金具を付けて真鍮釘で止めます。

2009/4/27

 この船には4門の4ポンド砲が搭載されている。バイブル本には余った糸じまいの処理に木で道具を作る方法が載っていたが、商売上で知り合いの金属加工所があり相談してみた。写真の部品を作ってもらい使ってみたところ、真ん中の切れ目が細すぎて糸がうまく抜けなかったので、再度作ってもらうことにした。使い方は、切れ目に糸を入れてとぐろを巻くように回し、糸の最後をクリップで止めて動かないようにしてから木工ボンドで固めます。しっかり固まってからマイナスのドライバーでゆっくりと剥がします。   2009/4/28

 着色した部品を甲板上に取り付けた。

 2009/5/2

クリックで拡大します。
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 船尾側の部品を取り付けた状態。

 2009/5/2

 完成していたランチとジョリーボートを船体に取り付ける。

 2009/5/4

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 船尾にあるランタンを取り付けました。この組み上げには参りました。上下の部分は部品で付いていましたが、胴部分を曲げるのにラジオペンチを使う説明写真のようにすると、くり抜いた弱い部分が曲がってしまい、上手く行きません。最終的に溝のないペンチで曲げる部分を押さえながら、ひたすらピンセットの柄で押さえつけて曲げました。(素通しだったので、プラスチックを切って組み込みました。)  2009/5/10

 一年半かかったが、本体が出来上がったのでいよいよマストの製作に入る。先ずトップ(見張り台)を作ることにした。上に見えるカーブした弧の部品は打ち抜き部品、周りは3ミリ角のアフリカンウォールナットを組み合わせる。中の格子は右に見えるギザギザの部品を組み合わせて作成する。少し大きめに組み合わせて接着剤が固まってからカッターで切って調整する。  2009/5/24

 一段目のトップが完成、クロストゥリーとトレッスルトゥリー(共に打ち抜き部品を組み上げる)も出来上がった。

2009/6/25

 ただ切っただけの架台だったが、せっかく銘木を貰ったので、少し加工してみることにした。ジグソーで大まかに削った後、粗いやすりで形を整え、スポンジ型のイギリスのやすりを使って艶を出した。仕上げに木肌を生かす染み込む塗料を塗ってみたら、結構いい感じに仕上がった。   2009/7/9

 先ず、フォアマストから作ることにした。3段マストの1段目を作成し、連絡部品を中に入れながら2段目を作成した。ピタッと合った時の気分は最高!!

 今回は教本の通り正式なマストの作り方で削った。キットは丸棒なので、原寸図からポイントごとの直径を計り、ノギスで測りながら上下均等に削っていくことで断面が正方形になるようにする。(事前に断面に十字印を入れると芯が狂わない。)各ポイントの径が合ったら角を落として八角形になるように削る。最後に全部の角を落とすと丸棒の出来上がりとなる。  2009/7/27

 

拡大できます。
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 重なる部分には飾り物のような細工が必要だった。細かな指示は無く、原寸図を見ながら使用するパーツをリストから探し、10倍の図面を書いて帳尻が合うようにサイズを決め加工した。  2009/7/27

 図面に合わせながらマストの各部品を作っていきます。1本のマストは3つに分かれていて、接続部分は接着せずに差し込んだまま組み上げます。後にロープを張ればしっかりします。

拡大できます。
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 フォアマストに続き、メインマスト、ミズンマストが完成したので本体に差し込んだ。   2009/8/25

拡大できます。
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 マストの取り付け状況   2009/8/25

 いよいよロープを張る段になり、改めてバイブル本を読んでみると、次のように書いてあった。

「キットの場合は薄茶色のロープが1~2種類、よくても3種類しか入っていません。しかし、実際の帆船には1隻で10種類以上の太さのロープが使われていました。さらに、スタンディングリギング(静索)と言ってマストを支えているロープには、タールが塗られ黒い色をしていました。キットにはこの黒い色のロープが入っていることも稀です。」

 さらに、「ステー(前支索)の上下部、シュラウド(横支索)の上部などには、ロープの上に細いロープを巻いてあります。これはサービングと言って、湿気を防ぐためと擦れ止めのために行っているものです。このサービングの機械は市販されておらず、仲間は各自手作りの機械を使っています。」

 そして、2つの図解が書いてあった。最初はかなりマニアックな人達だなーと思っていたのだが、黒いロープがないことが気になり始め、手芸店を覗いてみたりしても適当なものは見つからなかった。さんざん考えて、自作することに決めた。ホームセンターでアクリル板を、模型店でギヤーセットとモーターのセットを購入して作ってみた。

 ロープ撚り機:モーターの先のギヤから、1つギヤを介して中央のギヤを回し、そのギヤの周りに3つのギヤを配置する。ギヤの軸に銅の釘を使って先にフックを作る。モーターを回すと3つのフックが同方向に回転する。   2009/9/21

 ロープを撚っているところ。フックにミシン糸を3本縛りつけ、一番下を縛ってから錘を付けたクリップで挟んで下に引っ張る。糸が絡まないように3か所に溝を入れた板で開きながらスイッチを入れると、15秒程で錘が回り始める。段々と撚りがかかるので、頃合いを見て上にゆっくり引き上げていくとロープが完成する。ミシン糸はポリエステルが良かった。

 

撚った結果

ミシン糸:90番→0.1ミリ、60番→0.2ミリ、50番→0.3ミリ、30番→0.5ミリ、20番→0.6ミリだった。さらに50番×3×3→0.7ミリ、60番×3×3→0.8ミリだったが、二回巻は均一になりにくく難しかったので、インターネットで模型店から太いロープは購入した。

 

拡大できます。
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 サービングの機械:モーターにつけたギヤで手前のフックの付いたギヤを回し、そのギヤに連絡したギヤの軸に太いピアノ線を取り付け、反対側のギヤを回すようにする。同じ口径のギヤを組み合わせて反対側のフックも同方向に回転するようにする。

 使い方:フックにロープを縛り付け、水で薄めた木工ボンドをロープに塗る。90番のミシン糸を使い、サービングの巻はじめを縛って止めてからスイッチを入れる。被らないように注意しながら糸巻を均一に移動し、止めてから終わりの糸じまいをする。   2009/9/21

 

 ミシン糸によっては毛羽が出るものがあり、また、メーカーのロープにも毛羽の出ているものがある。そのまま使うと後々ゴースト船になってしまうと教本に書いてあったので、ローソクの火で毛羽を取ることにした。ギリギリまで寄せれるようにガイドを作った。   2009/11/5

 舳先のジフブームに付けるトラベラーを作成する。真鍮の針金を加工し銀ロー付けで作るのだが、ロープを取り付けた後動くようにするのに苦労した。

 キットに付いてきた物(写真の左下にある)が、穴が大きく飛び出してしまうので、真鍮の針金で作ってみた(銀ロー付け)。マストの部材からロープを張るのにちょうど良かった。

拡大できます。
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 舳先のバウスプリットの製作。フットロープは結びこぶ(8の字に結ぶ)で引っ掛かりを作る。       2009/11/19

 この段階の周りの様子

 マストの部品に、ブロックを原寸図を確認しながら取り付ける。   2009/11/19

 シュラウド(マストに掛ける縄梯子状のもの)を張る。舳側の1番前のロープには全部サービングしたロープを使う。2番目からはマストにかかる部分だけをサービングする。   2009/12/21

 ロワーマスト(メインマストの一番下のマスト)のスティとプリペンダースティを張る。どちらも根元にはアイスプライス(ロープをほぐし、輪を作った先に1本ずつ編みこんでいく)した輪にマウス(ロープに三角状の紙を巻きつけてボンドで固め、その上にガーゼを貼り黒く着色する。)を引っ掛けるようにして作成する。その後に2本の間をスネーキング(ギザギザにして止めていく。)して完了。   2010/1/11

 貼りあがったステイにクロウズフィート(カラスの足:帆が巻き込むのを防ぐ)を、90番のミシン糸1本で編み上げる。   2010/1/18

 フトックシュラウド(見張り台から下に張るロープ)を張り、キャットハーピン(シュラウドが外に広がらないように内側に引っ張るロープ)を1本のロープで組み上げ、さらに2~3本まとめて細い糸で縛る。(緩まないように気を付けながらのピンセット2本の作業!!)  2010/2/17

 シュラウドにラットライン(横に編むロープ)を取り付ける。均一に張るためガイド用紙を作るように教本に書いてあったので、立面図を参考にしてExcellで罫線を引いて使用した。また、両端の糸じまいは、今までは巻き結びで止めた後接着剤で処理していたが、教本には一旦上に上げてから横を細い糸で縛り、横に戻してから縦を縛るのが良いと書いてあったので、今回はこの方法でやってみた。結果は満足のいく仕上がりであったが、1本仕上げるのに20分かかることになった。  2010/2/24

 スタンディングリギング(静索:シュラウド・ステイ・バックステイ)が完成。2010/3/19

[ヤードの制作]

  上のヤードから取り掛かることに決めて、トップヤードとトゲルンヤードを制作した。中央部分は八角形となっていると教本にあったので、先にヤードの部分を作り着色してから中央部分を八角形に削り、3×1ミリのバエスウッドの角材を組み合わせた。ピタッと合うように内側部に角度をつけるのが難しかった。また、フートロープを吊り下げるのはキットでは真鍮の針金になっていたが、教本に従ってロープで制作した。   2010/4/27

 トップヤードとトゲルンヤードを取り付ける。実寸図に書かれているブロックを先に付けておいた。ヤードのマストへの取り付けは、実船と同様にジアー・スリング・タイ・ハリヤードにより付けている。2010/7/7

[ロワーヤードの作成]

 ロワーヤードには、追い風の時に外側に補助帆を張り出すためのスタンスル・ブームが付く。また、マストへの取り付けは、ビブとトラックを組み合わせたパレルにより取り付ける。 2010/8/6

 ロワーヤードを取り付けてヤードが完成する。船尾にあるガフ・ブームも取り付ける。ヤードの傾きを調整するリフトを取り付けする。  2010/9/19

拡大できます。
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 マストとランニングリギング(動索:帆を動かすためのロープ)が完成した。 2010/9/20

[セールの制作]

 いよいよ帆の制作となった。帆の付いた船は初めてだったので、うれしさ半分どのように取り付けるのか不安が半分だった。

 キットには完成したものが付いているように見えていたが、教本で確認するとまだまだ手を入れるところがあることが分かった。帆に入っている縦のミシン糸も間隔が広すぎたので、間に1本入れることにした。似たような色を手芸店で探して縫い始めたのだが、8枚ほど作ったところで突然ギヤが噛んでしまい、どうやっても動かなくなってしまった。仕方なくミシン屋で一番安いもの(¥15,000)を購入することにした。

 また、リーフポイント(帆を巻き上げて縛るためのロープ:風の強いときはマストを守るために巻上げて航行するとのこと。)をつけるために補助布を接着し、その両側にミシンをかける。

 さらに帆を操作するロープを通すためのクリングル(帆の縁に輪を取り付ける。)を取り付け加工する。  2010/10/8

[ガフセールの取り付け]  2010/1/8

 縦帆の取り付けが完成する。キットに付いてきたのは真鍮の丸い輪だったが、教本ではハンクスという名で、足を丸めた蛸のような形のものを針金で作るように書いてあったので、真鍮の針金で作成した。いろいろ考えた末に、3ミリのドリルの刃のすぐ横に1ミリのドリルの刃を2本木片に取り付け、0.7ミリの真鍮線を巻き上げて制作した。さらに光っていたので、アオバ黒染め液502(インターネットで探したら小分けしてくれるサイトが見つかった。)を使って、黒く腐食させることにした。結果良好。  2011/2/6

 横帆に風で膨らんだ感じを出すためにたわみを入れる。膝で膨らみを出した後、たわみが残るように艶消しラッカーを吹きかける。  2011/2/15

 すべてのセールの取り付けが完了する。  2011/3/15

 帆の取り付けが完成したので、帆を操作する最後のロープを取り付ける。

 ブレース   :ヤードを水平に動かすために先端に付けたブロックを後方に引っ張る。

 シート    :帆の下隅を引いて風をはらませる。

 タック    :ロワーセールが裏帆を打つのを防ぐために、前方に引く。

 バントライン :帆をたたむときに下縁を上方に引き上げる。

 クリューライン:帆をたたむときに下隅を内側斜めに引き上げる。

 リーチライン :帆をたたむときに縦縁をヤードまで引き上げる。

 

 最後に、ロープをビレイピンに止めた時、接着剤で固めた後に切り落としてあるので、同じロープでコイルを作ってぶら下げた。また、甲板上に残っていたロープをコイル状に加工してから接着して完成!!

 

 自分ながらよく完成までこぎつけたと思う。帆の付いた帆船が少ないのは、帆が付くことで作業が大幅に大変になることだと分かった。

 

 教本について:木製帆船模型同好会「ザ・ロープ」の[帆船模型製作技法]白井一信氏著と

       ;帆船模型 ―製作テクニック― 草野和郎氏著

 の2冊がネットで手に入りました。ロープ撚り機とサービング機、ロープウールディングやクロウズフィートの方法、ラットラインの張り方、ヤードの吊り下げ方法や横帆の動索の内容等については前書で、ボブステイの張り方やラットラインの両端の縛り方、横帆のヤードへの取り付け方等については後書に詳しく書いてあり、この2冊がなければ仕上りが違ったものになったかも知れません。おかげで基礎から知ることが出来、もう1隻チャレンジしてみようという気になっています。

 

 完成最終日:2011年4月29日 [約3年間での完成となった。]

 完成したバウンティの写真集です。

 細部の写真です。